LEDビジョンのピッチサイズの選択方法 ~設置空間にベストな製品の選び方~
LEDビジョンはだいぶお求めやすくなったとは言え、初期導入費は高額です。
購入やレンタルの際に、全てを業者まかせにせずに自ら製品選定ができるお役立情報をお伝えできればと思います。
今回は、LEDビジョンを選ぶ際の重要なポイントである最適なピッチサイズはどう算出するのかを説明します。
LEDビジョンのスペックには必ずピッチサイズが表記されています。
このピッチサイズは製品選定の最重要事項になります。
詳しくみていきましょう。
目次[非表示]
- 1.LEDビジョンの構成
- 2.LEDビジョンの解像度
- 3.視認距離が重要ポイント
- 4.ピッチと価格の関係
- 5.屋内と屋外でピッチに違いは?
- 6.LEDビジョンの明るさ
- 7.まとめ
LEDビジョンの構成
LEDビジョンはLED素子が光を放ち色を表現します。
LEDビジョンは、このLED素子を一定の大きさのモジュールに敷き詰めて構成しています。
この配置した素子の間隔距離がピッチサイズです。単位はミリメートル(㎜)で表します。
2㎜ピッチですと、配置された素子と素子の間(距離)が2㎜ということです
6㎜ピッチの場合は間隔が6㎜、10㎜ピッチだと間隔距離が10㎜といった感じです。
この距離が狭いほどパネルに配置する素子の数が多くなります。そして素子が多い分、表現色が豊かになり解像度が上がります。
LEDビジョンの解像度
画像の解像度に例えると分かりやすいかも知れません。
解像度の単位はdpi(ディーピーアイ)。これは1インチスペースをどれだけのドットで表現しているかを表しています。
ドット数値が大きいという事は、表現するドットが多いという事で解像度数値が高くなり、精細な画像が表現されます。
同じ面積(1インチ)の画像をドット数10と50で表現する場合を見比べてみましょう。
この様に同じ画像サイズでも、多くのドットで表現すると画像の表現がきめ細かく、高解像度の画像になります。
LEDビジョンの仕組みもこれと似ています。
ドットをLEDチップと仮定してみましょう。
モジュールにどのくらいの間隔でチップが配置されているかによって、解像度が変わることが分かります。
1チップひとチップが光を放ち画像を表現するので、たくさんのチップが配置(=ピッチサイズが小さい)されると画像がきれいで、逆に少ない数のチップが配置(=ピッチサイズが大きい)されると画像が粗くなるという具合になります。
ピッチの大きさ |
解像度 |
きれいに見える距離 |
小さい |
高い |
近い距離できれいに視認できる |
大きい |
低い |
遠方距離できれいに視認できる |
では、コンテンツをきれいに見せるためには、ピッチサイズが小さく解像度が高い製品を選べばいいのでしょうか?
答えはNOです。
ピッチサイズを選定するためには、視認距離の情報が必要になります。
視認距離が重要ポイント
LEDビジョンの適正なピッチサイズは視認距離によって変わってきます。
まず視認距離とはどの部分のことを言うのでしょうか。
下のイラストの様に、LEDビジョンからLEDビジョンを見る人がいる位置までの距離を視認距離と言います。
ビルの屋上にあるビジョンを視認する人は、路上から看板を見ます。
LEDビジョンまでの視認距離は数メートルになります。
前回のブログでも触れましたが、適正なピッチサイズは視認距離の1000分の1程度です。
では10mの視認距離の場合はどうなるでしょう?
10,000㎜(10m)÷1,000=10㎜(ピッチ)
※あくまで目安値です。
同じ視認距離で違うピッチサイズの製品を設置した場合は、以下の様な見え方になります。
構築ディスプレイのサイズにも左右されますが、およそ視認距離でピッチサイズを算出すれば間違いないでしょう。
ピッチと価格の関係
LEDビジョンの価格は実はピッチサイズと密接な関係があります。
前述のようにピッチサイズが小さいと、その分多くの数のLED素子をモジュールに配置することになります。
したがって同サイズ製品でも、ピッチサイズが小さいほど高額になります。
ピッチサイズが小さめでビジョンサイズが大きくなると製品価格は高額になります。
屋内と屋外でピッチに違いは?
では屋外と屋内ではピッチサイズの基準に違いがあるのでしょうか?
屋内の場合は、ほとんど視認距離が短いため6㎜以下で選定するのが基本です。
オフィス、ショッピングモール、観光案内所、展示会などが主な導入場所です。
屋外は先ほど説明したように視認距離をまず確認、構成サイズなどを考慮し適正なピッチサイズを選定しましょう。
また屋外の場合に忘れてはならないのが、必ず防水仕様の有無を確認することです。
IP保護等級で防塵・防水仕様かどうか確認できます。
IP保護等級とは電子機器などの防水や防塵に関する程度を示しています。(家電品のカタログにはJIS保護等級と記載されています。)
表記はコードの次に第1特性(防塵)、第2特性(防水)の強度を数値で知ることができます。
第1特性:機器の中に埃・塵がどれだけ入りにくいかを示しています。
6は塵埃の進入がない状態です。
第2特性:防水を示す数値で5以上があれば通常の使用では十分です。
LEDビジョンの明るさ
屋内用ビジョンは屋外用にくらべて調整範囲が限られていますが、限定された空間なので視覚への影響はさほど問題になりません。
屋外用は太陽光の影響を直接受けるので、明るさを調整できる範囲がより広い仕様になっています。
通常は屋内型より3~4倍明るい4000~5000cd、逆光が当たる場所ならそれ以上が望ましいでしょう。
視野角にも多少ならず影響があります。
明かるいほど視野角は狭くなるので、屋外ビジョンはある一定の大きさが必要になります。
まとめ
LEDビジョン導入の価格に影響するピッチサイズについて解説しました。
基礎知識を備えたうえで業者との機器選定に挑めば、間違いない製品を購入することができるでしょう。
そして、その他のオプション機能が必要かどうか確認しましょう。
その他オプションをつければ必然と価格は上がっていきますので、どの部分に重要性をおくかお考えのうえ、選定したほうがいいでしょう。