ベゼルの狭額縁化(スリム化)とは?
ベゼル(bezel)とは、液晶ディスプレイなどの表示画面を「支持」、「保護」する機能を持つ部分を示す言葉です。いわゆるモニター枠のことです。
ベゼル幅を狭めることを「狭額縁化(きょうがくぶちか)」(別名 狭ベゼル化、ベゼルのスリム化)と言います。スマートフォン端末、液晶ディスプレイでは軽量化と並んでこの狭額縁化も、重要な技術的課題となっています。
サイネージパネルも年々ベゼル幅の狭額縁化が進んでいます。
ではなぜ、サイネージディスプレイでこの狭額縁パネルが求められるのでしょうか?
サイネージマルチモニターの狭額縁化によるメリット
ディスプレイの額縁幅が狭いと画面表示領域を多く取れて、画面の印象がだいぶ変わります。
デジタルサイネージをブロックの様に何台も連結させて、大型のスクリーンに構成させたものをマルチモニターと言いますが、このような構成の場合にはベゼル幅が狭いことで、連結された複数モニターが一体化し、一段とインパクトある映像表現ができるようになります。
逆に額縁幅が太いと縦横に4台を組み合わせた場合、くっきりと十文字線が入ってしまい映像の印象がだいぶ変わってしまいます。
下の画像を見比べてみてください。(上がベゼルが狭いマルチモニター、下がベゼルが太いマルチモニター)
映像のインパク度に差がでることが分かります。
建設現場ではこのマルチモニターを朝礼看板と称し、作業員が全員集合する朝礼時に活用しています。
大人数の作業員が働く現場では、一堂が会して作業工程や変更事項の確認作業を徹底しています。このとき、大画面マルチモニターは詳細部まで拡大表示でき大変便利です。
近年は、駅やビルの商業施設でもマルチモニターを多く目にします。
ベゼル幅を極力狭くして、インパクトある映像で視認性を高め集客効果を狙っています。
極薄のベゼルで見栄えをよくするディスプレイ開発(ベゼルレス)は、現在も積極的に進んでいます。
最近韓国LG 社では、狭額ベゼル0.9mmによって構成されたサイネージマルチディスプレイの販売を開始しました。
(抜粋:LG社・デジタルサイネージ製品 https://www.lg.com/jp/business/digital-signage/lg-55VH7E-A)
導入価格を抑えたイージーマルチ
しかし狭額縁パネルはクオリティが高い分、予算も取られます。
通常のベゼルより薄いベゼルの場合の価格は、2~2.5倍程度高額になります。複数のパネルをつなぎ合わせ巨大パネルを構成するマルチモニターでは、台数も多くなるので特に高額になります。
4面マルチ(×2)
9面マルチ(×3)
マルチパネルの構成例
ベゼルの太さをあまり気にしなければ、イージーマルチという方法があります。
マルチモニターはマルチ用ディスプレイを複数台連結しますが、イージーマルチの場合は通常ベゼル幅のデジタルサイネージ(ベゼル幅15mm~25㎜程度)を複数台用いてマルチパネルを構成します。この場合、ビデオウォール設置のつなぎ目は1台のベゼルの倍数の30mm~50mmになります。
このイージーマルチは価格面以外にもメリットがあります。
マルチ専用パネルに比べて軽いことと、ベゼル枠が太いので液晶破損のリスクが少ないなどです。
しかし、どんなデジタルサイネージでもイージーマルチ構成出来る訳ではありません。
イージーマルチ対応のデジタルサイネージを購入しなければなりなせん。
価格の順番は、ベゼル狭額縁サイネージ>イージーマルチ仕様サイネージ>通常サイネージになります。
通常のサイネージでもイージーマルチを実現する方法もあります。
高級なモニタースイッチャー(ディスプレイ切替器・分配器・アダプタ)を使用すれば、通常のどんなデジタルサイネージ(※HDMI仕様)でもイージーマルチは実現可能です。(取り扱いが非常に難しい点が難点ですが)
※弊社レンタル事例はこちら
まとめ
狭額縁化レースは世界のテクノロジー業界で注目されており、ベゼル幅の狭いマルチ専用モニターは高額の一途をたどっています。
また、専用の取り付け金具も便利な物になると1台23万円を超えます。※2020年現在
取り扱いが難しい分、設置費用も高額になっています。
それに対してイージーマルチは安価での導入を実現しています。
イージーマルチを構成する際に良く使用されるデジタルサイネージは、機能が充実している割には安価な有名企業製が多く見受けられます。
並行して日々スリムなベゼルへと進化するサイネージディスプレイが多く登場しています。
また通常のサイネージを「イージーマルチ化」させる「モニタースイッチャー」も中国製の安価なが製品が多数販売されています。
安価ですが難点といえば、取扱い説明書が英語もしくは、中国語表記なのでご購入に際しては事前に確認されることをお薦めします。